今回は東京の台所、築地場外市場についてです。場外市場とは築地市場の周辺にある商店街のことで買出人を相手とする店舗が多数ることから「場内」に対し、「場外」と呼ばれています。場外は場内に比べ一般客や観光客が比較的多いようです。
道路にはみ出す市場のはじまり
築地市場は晴海通りと新大橋通りに囲まれたエリアにあります。晴海通りには専門店が道路にはみ出すかのように軒をつらね、新大橋通りには海鮮などを扱う飲食店が並びます。どちらの通りも築地市場への入り口ですが、それぞれの店は築地市場を拡張するかのように公共空間(道路など)を侵食しています。私はこの侵食は築地市場の活気を象徴する現象に見えました。
せまい道ほど人が集まる
私は場外市場を歩いていて不思議に思うことがありました。どういう訳か、人々はこぞって狭い道に面したお店を目指します。広い道に対し、狭い道の方が密度が高いため人が多く見えるという事もあるのかもしれませんが、どうもそれだけではないようです。狭い道は人々を吸い込みます。それは広い道に比べて狭い道では全体を見通せないため、人々の好奇心を掻き立てるからです。「この先にはまだまだ魅力的なお店がある」。お店ごとの小さな屋根が連なる風景は独特のスケール感を持っています。飽くなき探究心で突き進めば、まだまだ知らない魅力が発見できそうです。
特色ある専門店
私は築地市場と言えば海鮮!というイメージだったのですが、実際に行ってみると農産物や干物、穀物屋さんなどありとあらゆる専門店がありました。左上の写真は場外市場にある業務スーパーで、売っているものはとにかくサイズが大きく、そのわりに安いのでとてもお買い得でした。大家族やイベント時にお勧めです。右下はスパイス専門店で、なかなか入手できないスパイスも小分けになって売られています。また、食器が地べたでワイルドに売られていたり、金物専門店もありました。専門店で買い物をする利点はお店の人にお勧めが聞けたり、食材の調理方法を教えてもらうことができるところです。せっかく最高の食材を手に入れたのなら、最適な方法で調理し美味しく頂きたいものです。
築地の活気の秘密は
築地市場は観光地として有名なので、多くの観光客の方がいらっしゃいます。しかし、思っていた以上に市場には地元のお客さんが多いのです。道のあちこちで「最近調子どうー?」「元気にしてた?」などという会話を聞いて私はとても嬉しくなりました。ここには昔ながらの人情味あふれる地縁が息づいています。
築地場外市場のレポートはいかがでしたか?建築的な視点で見る街のレポート、サブリース株式会社のfacebookページの特色として楽しんで頂けたら幸いです。築地にはどこか懐かしい情景がたくさんあり、人情あふれる市場の活気は見ものです。もちろんお買いものもとびきり楽しめます。是非、気軽に遊びにいってみて下さい。ご意見、ご感想お待ちしております。