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最判H15.10.21 争点①についての判決要旨と解説

【争点①】


いわゆるサブリース契約は賃貸借契約なのかそれ以外の特殊な契約なのか。

【最高裁判所判決の要旨】


「本件契約は、その合意の内容に照らせば、建物の賃貸借契約であることが明らかであるから、借地借家法が適用され、同法32条1項も適用される」

【解説】


借地借家法は、第1条に「建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをする」とあるように、建物の賃貸借契約に関して提供される法律です。
ですから、そもそもいわゆるサブリース契約が、賃貸借契約ではなく別の契約類型であるとすれば、借地借家法そのものが適用されない可能性があります。実際に、同種の事案において、サブリース契約は、事業委託的無名契約の性質を有するとして借地借家法32条1項による賃料減額請求を否定した下級審の裁判例もあります(東京高判H12.1.25)。その背景には、借地借家法は土地や建物を借りる弱者側を救済するための法律であるのに、これを日本でも屈指の不動産会社であるYに適用するのはおかしいのではないかという当事者間の公平性に配慮した考え方があったと言えるでしょう。
しかしながら、最高裁判所は本件の合意(契約)の内容に照らせば、建物の賃貸借契約であることが明らかであるとして、いわゆるサブリース契約にも借地借家法が適用されると判示しました。
判決理由には、契約の内容(XからYが建物を借りて、賃料を支払う)からすれば、明らかに賃貸借契約であるとしか述べられていませんが、補足意見も読み合わせれば、明らかに賃貸借契約である契約をそうではないと判断するより、賃貸借契約であるとして借地借家法32条1項の適用を認めたうえで実質的公平を図る方が法的安定性の要請に沿うとともに柔軟で合理的な処理を可能とするという理由であるようです。

Point
いわゆるサブリース契約のオーナーとサブリース会社の間の契約は、賃貸借契約であるので、借地借家法が適用される。

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