オフィスビルの運営方式として一般的に使われるようになってきた「サブリース」。それでは、「サブリース」とはどのような運営方式なのでしょうか。「サブリース」の本質を理解するために、このコラムでは、まず「サブリース」の起り(起源)について触れておきます。
【サブリースという言葉の起源】
サブリースという言葉は欧米から輸入された言葉ではなく和製造語です。そして、
弊社元代表取締役の大黒哲也と本サイト上で満室ビル経営WEB講座の講師を務めていただいている佐々木泰樹氏の両名が、「サブリース」という言葉の生みの親であることはあまり知られていません。
今でこそサブリースという独自の運営方式・契約類型があるかのように使用されていますが、当初「サブリース」はビル経営の一類型として「オーナー様に対して継続的なビル経営コンサルティングを行う」ために考案された「転貸借契約」に他なりませんでした。
40数年前、まだサブリースという概念が生まれていなかった頃、オーナー様と共に事業用のビルの運営ノウハウを構築していた両名にとって、当時の不動産業界の仲介モデルでは限界がありました。すなわち、仲介業は、オーナー様とテナント様を仲介するだけの業務であり、成功するビル経営に必要不可欠な「どのようにテナントを募集すべきか」「どのようなビルにするべきか」等、仲介以前、仲介以後の大事なポイントに関わることができないという問題があったのです。
このような仲介業の一時的な関係ではなく、
オーナー様、テナント様との継続的な関係を構築し、オフィスビル経営のノウハウを提供することによって、共に成果を分かち合う為に、当時海運業のチャーター(賃貸借)という概念を参考にして、
「オーナー様からビルを借りたうえで、ビル経営のプロのノウハウを用いて、これをテナント様に転貸借する」というオフィスビルの運営方式を考案し、これを「サブリース」と命名したことが始まりになります。
Point
- 「サブリース」の本質は転貸借契約である。
- 一貫したオフィスビル経営を行う為には、継続的にビル経営のノウハウを注ぎ込むことが必要であり、その為に転貸借契約による運営モデルが構築された。