配線のノイズ対策
前コラムで取り上げた配線の混触は絶対に起こしてはいけないことであることは当然ですが、OAフロアの配線においては、更に配線の対ノイズ対策もしっかりと行っておく必要があります。オフィスの内部に存在するOA機器等の電子機器や電源配線は電磁波(ノイズ)を発生しており、このノイズが他のOA機器の誤作動を引き起こすことがあるからです。
例えば、照明やエアコンを付けると、スタンバイ状態のPCが勝手に起動する等の症状が出ることがありますが、この原因を探ると照明やエアコンからのノイズであったりします。
また、ネットワークを介したシステムが原因不明のエラーを起こしている場合に、電源配線やOA機器からのノイズがLANケーブルに悪影響を及ぼしていたことが原因であるということがあります。
前者のパターンは電子機器が同士を離してオフィスをレイアウトすれば解決しますが、後者のパターンは床下の配線の問題であることから、最初の配線時にしっかりと設計し、これに基づいて敷設をすることが重要です。
特にLANケーブルの敷設時には注意が必要です。家庭用の電力線から発生しているノイズの影響を受けないよう、LANケーブルは電力線と別のルートで敷設しなければなりません。同一ルートで敷設せざるを得ない場合には10cmは離しておくべきとされています。また、LANケーブルは可能な限りOA機器から離れたルートで敷設する必要があります。
溝構法のOAフロアでは、コンクリートの溝にルートが整理されており、電力線と通信回線のルート分けが容易で、かつコンクリートに3方を囲まれているためノイズの影響を与えにくく受けにくい点が特徴です。
一方、パネル構法のOAフロアでは、床下で配線が移動・密接する可能性があるため、これを予防するためのルート設計と固定をしっかりと行わなければなりません。パネル構法を採用する場合には、こういった見えない所までしっかりと工事をする業者を選定することが大事になると言ってよいでしょう。
Point
・OAフロア内部の配線は、火災防止及びノイズによるOA機器の誤作動防止の為のルールに則って敷設する必要がある。
・パネル構法を採用する際には、上記ルールを熟知し、これをしっかりと実施する業者を選定することが重要である。