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No.054 第四章~満室になるサブリース 定義①~

【サブリースの成り立ち】


――これまで、中小ビル経営について様々な視点からのお話を伺ってきました。建築設計やリニューアル、そして具体例なども詳しくご説明いただきました。ここからは、それらの集大成とも言うべきサブリースという業務形態について改めてお聞きしていきたいと思います。第一章~佐々木氏へのロングインタビュー⑦で『サブリース』という言葉の起源についてお聞きしましたが、もう少しサブリースという業務の成り立ちについて、深く教えていただいてもよろしいでしょうか。

「私のキャリアは、もともとは貸し事務所の仲介からスタートしています。不動産の仲介というのは、紹介した物件にテナントさんが入ってくれないと利益につながらないのは当然ですが、成約しても報酬は一律です。この報酬体系はオフィスビルだけでなく住居係でも同じですが、1件のテナントさんが成約すれば、その場限りの報酬が支払われて終わりになります。企業の場合は住居と違っていったん転居したらそんなに簡単には動かないのが一般的ですが、実際には入居企業のケースは様々で、長期に入居してくれる優良企業もいれば、賃料を滞納したり、他のテナントさんに迷惑をかけるような企業もいるでしょう。どんなに優良なテナントさんを引き合わせても、そうでない場合と一律の報酬であるという点について、どこかおかしいという思いを感じていました。

その頃のクライアントに、海運会社がありました。この会社とのお付き合いがサブリースを生み出すきっかけになったのです。海運業の場合、我々不動産の仲介にあたる仕事を仲立ちと呼びますが、船の場合、紹介して成約しても報酬はその場限りではないというのです。紹介した船がチャーターされている期間はずっとコミッションが入ってくる。ですから、良いお客さんを紹介すれば仲立業者にも継続して収入は入るし、船主さんの経営にも寄与できるわけです。私は海運業におけるこのシステムは知った時、貸しビルにも使えると思いました。

同じ仲介をするにもテナントの入居状況に応じて見合った報酬があるのはフェアで合理的です。ビジネスとしての付加価値も格段に高くなります。そして満室を実現するためには、オーナーのビルを借り受けて、ビル経営そのものを請け負うスタイルへと行き着いたのです。ここに転貸借契約によるビル経営の代行という事業形態が誕生しました。サブリースというネーミングは、現在のサブリース株式会社の元代表取締役である大黒哲也氏と相談して決めたのは、以前お話したとおりです。」

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