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――ビルの生涯獲得賃料を増加させ、オフィスビル経営を成功させるためのリニューアルとは、どのようなリニューアルを指すのでしょうか。
指標となるのは「普遍性があり好印象を与えるリクルートスーツのようなビル」というオフィスビルに求められる基本的要素です。時代のニーズとしての先進的要素を取り入れることは必要です。しかしリニューアルだからといって目先の新しさや個性の強いものを目指しては基本から外れてしまいます。古くても基本的要素を有するビルは空室が出ませんし、新築でも基本を外せば空室は埋まらないのです。
以前にもお話しましたが、空室が埋まらない新築ビルの相談を受けてリニューアルを行ったことがあります。エントランスと基準階の廊下の壁を取り壊して広くした結果、全室が埋まりました。新築でもリニューアルでもどのようなビルを作るかが重要なのは同じです。テナントさんは1番気に入ったビルしか決めません。リニューアルにあたってもこの点を再認識していただきたいのです。古くなったからそろそろ修繕しなければという安易な考え方では、ビル経営は成功しません。
また、リニューアル独特のデリケートな事情も考慮に入れる必要もあります。当然のことながらリニューアルには様々な制約があります。例えば、既存の建物がある以上、設計にあたっては、まっさらな状態で図面を引くことができません。工事に際してもテナントさんが入居している状態で行う「居ながら工事」となります。当然そこには新たな制約が発生し、綿密な計画のもとに進めていかなければなりません。専門のコンサルティングを必要とするケースも多いと思います。
このようにある意味では新築とは異なる難しさを持っているリニューアルですが、なぜか新築と比べると軽く考えられてしまうのは残念なことだと思います。リニューアルはオフィスビル経営の成功を実現に近づける重要なターニングポイントなのです。
ビルの資産価値を高める大きなチャンスですから、目的を認識したら、もう一歩進めて、あと何年使用していくためのリニューアルなのか目標期間の設定を行い、綿密な事業計画を立てることが大切です。新築の場合には当然に行う事業計画作成ですが、小規模なリニューアルの場合には行わないオーナーさんが多い気がします。リニューアルは事業計画の再構築に他なりませんから、投下した費用はいくらで、これを何年で回収し、ビルの生涯獲得賃料がいくら増えるのか分析する。その過程を通して、リニューアルすべき具体案をブラッシュアップしていくことが大切です。
予算の問題もありますから、リニューアルの優先順位を考えることも重要です。基本的にテナント募集を有利に進めるためのリニューアルですから、先ほどの分析を行ったなかで、最も生涯獲得賃料の増加が大きい順番でリニューアルを行うことになります。