【基本設計のポイント】
――次に、「基本設計図の作成」とお聞きしましたが、そもそも基本設計図とはどのような設計図なのでしょうか。
「基本設計図は、設計事務所からオーナーさんにプレゼンテーションをするために必要な、オフィスビルの配置、間取り、外観、面積等の基本的事項に関する設計図です。『社員が喜ぶ』『リクルートスーツのようなビル』を形にした設計図ですね。
プレゼンテーションで、オーナーさんとイメージを共有できるように、パースを作って具体的な姿も造り上げていきます。参考までに、私が手掛けたオフィスビルのパースをあげておきます。
具体的なイメージが確定したら、概算工事費を算出します。収支計画を提示し、建築スケジュールを明確にした上でオーナーさんの判断を求めるわけです。
――なるほど、基本設計で「社員が喜ぶ」「リクルートスーツのようなビル」を形にしていくのですね。基本設計図を作成する際の注意点などはありますでしょうか。
「概論で述べましたが、
広い範囲のテナントから好まれ、かつ時代が変化しても好まれ続けるビルをデザインすることですね。設計もこだわりをもって取り組むと、いろんなことが見えてきます。デザインにしても、年月を経ても普遍的な魅力で古さを感じないものがあります。」
Point
- 基本設計では、広い範囲のテナントから好まれ、かつ時代が変化しても好まれ続けるビルをデザインすることが大切である。