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No.018 第二章~満室になる建築設計概論②~

【賃貸ビルであることの特殊性】


――満室になる建築設計の基本が「社員が嬉しいと感じるビル・誇りに思えるビル」であるというのは良く伝わりました。こういうビルを造るという基本姿勢はほぼ全ての種類の建物に当てはまるように思えます。これに加えて、貸しビル独自の概念といいますか、貸しビルであるからこう設計するべきというような理念はありますでしょうか。

「貸しビル独自の概念というものはありませんし難しいのですが、明確にしておかなければいけないことは、「賃貸ビル」と「自社ビル」では、違うということです。自社ビルであれば、個性を発揮した素敵なビルがいいビルということになります。しかし、自社ビルの素敵な設計はある入居者に最適化された個性的なものであればあるほど、他の会社には似合わないのです。貸しビルは、不特定多数の人に選ばれる必要がありますから、ある種の企業には似合うけれども、ある種の企業には似合わないというようなビルではいけないわけです。
企業が賃貸ビルに求めるポイントのひとつが、ビルの印象です。訪れた人がどう感じるかは企業イメージを大きく左右するものです。対人関係におけるファーストインプレッションと呼ばれるものと同様です。初対面の印象を決定付ける要素を分析した「メラビアンの法則」でも、視覚に訴える部分が大きいと言いますが、それはビルにも当てはまります。
企業にとって、入居するビルは服装のようなもので、服装というのは印象を固定します。
私はよく中小オフィスビルを「リクルートスーツ」にたとえています。自社ビルであれば奇抜なファッションのように個性を出してもよいでしょう。しかし、テナントさんに選んでいただくオフィスビルに強い個性は不要です。リクルートスーツのように清潔感があって、誰からも好印象を持たれることが大事なのです。以上の点から見て、どんなテナントさんからも受け入れられる普遍性があり、好印象を持たれるビルが賃貸ビルの設計理念として重要であるといえるでしょう。」

Point
  • 「貸しビル」と「自社ビル」が異なることを理解する必要がある。
  • 普遍性があり好印象を与えるリクルートスーツのような賃貸ビルを設計することが必要である。

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