【ビル経営の動機】
――ビルの経営はいつ頃から始められたんでしょうか。
- F:
- 確か、平成元年のことです。ですから、かれこれ26年目になりますね。
――保有されているビルは購入されたのでしょうか、それともご自身で建設されたものでしょうか。
- F:
- 自分で建てたものです。元々自宅があった土地に建てました。家がだんだん古くなり、家族も増えて手狭になったこともあって、家を建て替えようかと考えていたんです。その時、持っている土地を最大限に生かして収益を上げることができないものかと考えたんですね。一種の資産運用です。それで、最上階を住まいにして、あとは貸しオフィスにしたわけです。
――当時マンションを建てて最上階をお住まいにというオーナーさんも多かったかと思いますが、どうして貸しオフィスにされたのですか。
- F:
- まず、どうせ建てるのなら賃料収入を最大化したいと思って色々聞いて回りました。そうしたら、坪当たりの収益は個人用のマンションよりも企業用のオフィスの方が高かった。これは偶々私が父から引き継いだ土地がわりと駅に近く、オフィスとして向いていたという理由もあります。
それに友人がマンションを建てたところ、住民の質の問題などでトラブルが多く疲れているという話を聞いて、企業相手の方が堅実でトラブルも少ないのではないかと考えた記憶があります。
――住居の建て替えと資産運用が理由だったのですね。ちなみに相続税対策などは考慮されていたのでしょうか。
- F:
- 当時はまだ若かったので(笑)、そこまでは考えていませんでした。どうせ建て替えが必要なら、収益を少しでもあげたい一心でしたね。今となっては結果として相続税対策にもなっているのは理解しています。