【相続税対策-他の手段】
――ビルオーナーになることが極めて効果的な相続税対策になるということはよくわかりました。他に有効な手段はないでしょうか。ビルを所有する投資システムと言うとJリートなどが有名だと思うのですがそちらは検討されなかったのでしょうか。
- S:
- もちろん検討はしましたが、残念ながら、Jリートは相続税対策にはなりませんでした。Jリートは、確かに多くの投資家から集めた資金でビルなどの不動産に投資をするシステムですが、投資家がそのビルなどの不動産のオーナーになったりするわけではないんですよ。
Jリートに投資する投資家は、投資の際に「投資証券」という上場企業の株式に相当する証券を購入するという形を取りますね。これは株券と同じで、相続の時に価格が決まっているし、毎日のように変動もします。ですから上場株式と同じように100パーセント課税対象になります。相続する時には、まるまる半分を徴収されてしまうということで、候補からは外されました。
税理士も交えて色々研究した結果、ビルを買うのが最適だという結論に至ったわけです。
※Jリート(J-REIT)
「J」はJapan。REITはReal Estate Investment Trustの略で「不動産投資信託」を意味する。
Jリートは「不動産投資法人」という会社のような形態を取っており、多くの投資家がその投資法人に資金を投資をし、投資法人はその預かった資金でオフィスビルやマンションなどの不動産物件を売買、運営したりすることによって、その売買益や賃料収入を投資家に分配する。
分配される金融商品のこと「Jリート」ということもあれば、「不動産投資法人」のことを「Jリート」ということもある。