同じ空間でも、内装の変化で室内の印象や居心地が変わった経験はないでしょうか。当社では、新しいテナント様をお迎えする際に、白を基調とした内装のシンプルな空間を提供させていただいています。この白い壁や天井はあらゆる色に調和し、光を反射して明るく広がりのある清廉な空間を創出しますが、そこにデザイン性のあるカーペットタイルを合わせるだけで空間全体の雰囲気は大きく変わります。
今回お話をお伺いしたのは、インテリアの総合商社である株式会社サンゲツ様(以下、サンゲツ様と表記します)。社歴に日本インテリア史を見ることができるほど深い歴史を持つリーディングカンパニーです。前身は日本古来のインテリアである屏風やふすまを仕立てる表具師で、1851年創業の個人商店「山月堂」から、1953年に現在の「株式会社サンゲツ」に改組。壁紙を中心に拡大してきた事業展開のなかで、常に次代のインテリアアイテムの開発に注力して来られたそうです。現在では壁紙はもちろん、カーテン、床材、椅子生地まで 13,000点に及ぶオリジナル商品の開発・販売をはじめ、グループ会社にエクステリアと照明器具の専門企業を加え、「インテリアの総合商社」から「空間の総合商社」へと事業の枠を広げていらっしゃいます。
【サンゲツ様が開発・販売する13,000点のアイテムを揃えるショールーム(東京)】
サンゲツ様の特長でありブランド・ポリシーでもある、インテリアをトータルでコーディネートできることの最大のメリットは、統一感のある内装デザインを、より適正な価格で提供できるトータルな提案力に長けている点です。扱う品目が多いため、スタッフは相応の知識の吸収が必要です。その結果、空間全体を俯瞰できるコーディネーター的なスキルまで身に付き、シーンに応じた適切なアドバイスが行えることも、お客様の信頼を高める上で大きな強みになっているそうです。
オフィスの内装にも時代を反映した流行があり、PMはテナント様のニーズとオーナー様のご要望をふまえ、オフィスビルを取り巻く環境全体を俯瞰しながらオフィスの空間づくりを行っています。今回の取材を通じ、改めてオフィスインテリアについての認識を深め、サンゲツ様とのより高度な連携を実現していきたいと思います。
>取材メモ
カーテンやカーペットといった西洋のインテリアが一般に浸透し始めたのは1970年代だそうで、サンゲツ様のカタログを拝見すると丁度その時期以降の取扱商品に大きな広がりが見られます。ふすまから壁紙に向かったサンゲツ様の事業の流れも、城下町から一般住宅へと時代が変遷するなかで発生したニーズが元になっているとのことで、インテリアがいかに時代を反映し生活に密着したものであるかを、改めて認識しました。
※本記事は2010年4月6日取材時点の情報を元に作成しております。
取材協力・情報提供:株式会社サンゲツ