今回、コクヨ様の計らいにより、当社PMスタッフ全員でエコライブオフィスを見学させていただきました。1フロア2,000平方メートルを使用したエコライブオフィスは、下図のように、外のワークスペースである「ガーデン」、室内のワークスペースである「スタジオ」、「プロジェクトスペース/ワークラボ」、「ワークスペース/ライブラリー」の4つのゾーンで構成されており、働く人ひとりひとりのエコ意識を高めながら、よりクリエイティブで、従来とは全く違った新しい働き方を創り上げる「実験オフィス」となっていました。
冒頭、エコライブオフィスの最初の目的として、2008年のオープン時にCO2を年間41.5%削減するという目標が掲げられ、1年後にはその目標を上回る43.6%削減を達成されたとのご説明がありました。いくつか興味深く感じた取組のうち、まず挙げておきたいのが、照明をLEDにしたことで、照明のCO2排出量を80%削減できたというお話です。そこには人感センサーによる照度の自動調節や、場所によって最適な光を使い分ける知的照明システムの導入など、多種多様なコクヨ様の工夫があってこそなのですが、オフィスにおける消費電力の1/3ともいわれる照明のエネルギー削減は私たちPMにとっても今後の重要な課題です。今回体感させていただいたことから、今後につながる具体的なヒントを多く得ることができました。
室内に目を向けると、トップライトから光が差し込むスペースに木を植えて周囲をベンチ状にした空間「ライブラリーコート」に、充電式のバッテリーを内蔵したデスクを持参した社員の方々が、各自のワークスタイルで働いている様子が新鮮でした。一方、外のワークスペースである「ガーデン」では、初夏を感じさせるような陽射しの中、それを遮断するのではなく木漏れ日のように受け入れながら心地よい仕事環境をつくりだす「フラクタル日よけ」など、外部の有識者が積極的に参画している製品開発も少なくはないそうです。まさにエコの実験スペースとしてはこの上ないという印象で、フロア全体が独創的・生産的なエコの提案に満ちていました。
【自然に人が集まる「ライブラリーコート」】
【樹木の形に学んだ「フラクタクル日よけ」】
>取材メモ
エコライブオフィスにおける取り組みのひとつに「ガーデンビズコンテスト」というファッションショーのお話がありました。「クールビズ」と言えばネクタイを外して勤務するスタイルを思い浮かべますが、さらに過酷な環境である「ガーデン」(外)での「ビズ」(働き方)をテーマに、ファッションショーを行うという試みです。すべてにおいて縮みがちなマイナスの発想ではなく、楽しく、進化させながらエコを実践されているというのはさすがだなと感心してしまいました。
当社では省エネルギーという大きなテーマに対し、PMの立場で具体的に何ができるか、ということを常に意識していますが、このような切り口も取り込んで行きたいと感じました。
※本記事は2010年5月13日取材時点の情報を元に作成しております。
取材協力・情報提供:コクヨ株式会社