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株式会社消防試験協会編-3-

オフィスビルでは前述の連結送水管の試験のほかにも、年2回の消防用設備の点検が消防法で義務づけられています。これは、消火器や避難器具などの防災設備が正しく機能することを点検して、万が一の災害に備えるためのものです。これらの設備は常に使うものではないので、だからこそ確かな安全性を前提とした定期的な点検は重要です。消防試験協会様のお話によると、設備が「ある」ことと「機能する」ことは別で、正しく点検を行わないと有効に機能しない設備も多いそうです。当社ではこの定期点検を消防試験協会様に委託し、設備の機能不全の把握から消耗品の適切な交換時期の認識など予防保全対応のため、協同して維持管理を行っています。

防災設備の消耗品と言われても、ピンとこない方も多いかもしれません。例えば火災発信機の設置場所を明示する表示灯に使用している電球は、一般的に半年で球が切れ、交換の必要が生じます。同様に、それぞれの防災設備には各メーカーが設定している耐用年数があり、また一方で、法的に使用の継続を禁じる「型式失効」という制度も存在します。これはオフィスビルなど不特定多数の人が出入りする「特定防火対象物」を対象に、時代や法改正に伴う規格水準の変化から現代の安全水準にそぐわなくなった設備の交換を義務づけるものです。

当社が管理させていただいているオフィスビルでは、現在型式失効に該当する設備の設置はありませんが、将来的な必然は視野に入れておく必要があります。また、各メーカーとも製造後10年を超える設備の補修パーツは供給が困難になるとのお話もあり、法的な面と耐用年数との両面から、それぞれのビルに最適な消防設備のプランニングを行う必要を感じています。長期的な設備の修繕計画に落とし込める現状把握と情報共有を、消防試験協会様と共に進めており、この点で当社PMは一般的なPMを卓越したスキルを有するという自負があります。

>取材メモ
防災設備の年2回の定期点検は法令で定められているものの、主に個人オーナー様が運営されているビルに顕著ですが、都内であれば約半分のビルで適正に実施されているかが疑問であるとのご意見でした。防災設備の維持管理は人命を守るという意味で重要なのですが、同時に法律を守るという側面を伝えていくことも大切だと思いました。

※本記事は2010年4月6日取材時点の情報を元に作成しております。


取材協力・情報提供:株式会社消防試験協会



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