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株式会社消防試験協会編-2-

「連結送水管」とは、消防車からの直接の消火活動が困難な建物の高層部分等を対象とした消防設備です。大きく「送水口」「送水配管」「放水口」の3つで構成されており、火災時には消防ポンプ車のホースを「送水口」に接続、加圧された消火用水が「送水配管」を通って送り出され、屋内の「放水口」につないだホースから放水して、消火活動が行われます。

消防試験協会様の業務で大きなウエイトを占めるのが、この連結送水管の試験と点検です。消防法では連結送水管を設置した建物は、新築時の試験、および設置後10年目以降の3年に1度の点検を定め、いずれも消防署への報告を義務づけています。東京都ではこれらの試験や点検を民間に委託しており、消防試験協会様は東京消防庁からの直接の技術指導のもと、首都圏一円で3 万件以上もの試験を行ってこられた実績があります。

具体的な試験内容は大きく2つ。送水口から送った水が放水口から適正に放出することを確認する新築時の「放水試験」と、所定の水圧をかけて圧力低下や漏水、変形などの異常がないことを新築時及び設置後10年目以降の3 年に1 度の頻度で行う「耐圧性能試験」となります。消防試験協会様では総務省や東京消防庁の試験基準に加え、口金試験等も実施して、より安全に有効に設備が使用できる点検を施しておられます。

【連結送水管の埋込型送水口。左下に貼付されている黒いシールは耐圧試験を無事完了したことの証明です】

「送水口」は主に屋外にあり、円筒形の先端が2分岐した銀色の設備や、壁に円形の双口が付いたプレートが埋め込まれており、ビルの前面などで見つけることができます。

連結送水管は一般の方が毎日使用する設備ではなく、非常時に、消防隊というエキスパートが使用する設備です。使われないことが最善ではありますが、いざというときに使える事実が、オフィスビルの安全性を高めていることは言うまでもありません。消防設備を適切に維持しておくことはPMとして当然の責務ではありますが、とても大切なことです。

>取材メモ
昭和23年に発令された消防法は、これまでに何度も改正と強化を繰り返しながら現在に至っているそうです。背景には改正の必然を導いた不幸な災害があったことは皆様もご存知かと思われます。現行の連結送水管の耐圧性能試験も平成14年に改正された項目のひとつですが、設備に穴があいていて緊急時に水が出なかった、という実例から生まれたものだそうです。問題が発生してから対処するのではなく未然に防ぐことの重要性を痛感します。

※本記事は2010年4月6日取材時点の情報を元に作成しております。


取材協力・情報提供:株式会社消防試験協会



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