2011年7月24日までにアナログ放送が終了し、地上デジタルテレビ放送に移行することは周知されています。本原稿作成時点において、アナログ放送終了まで2年を切り、CMやチラシで「地デジ」の3文字を見かけない日はないと言える状況です。有限な電波のさらなる有効活用がその目的で、アナログ信号からデジタル信号へ電波信号を転化することにより、従来の電波帯域の約3分の1を次世代に向けて活用する指針が総務省から打ち出されています。
※総務省/(社)デジタル放送推進協会(DPa)発行
「地上デジタルテレビ早わかりガイドvol.4」より引用
地デジ化の潮流はオフィスビルにも影響を与えており、通信設備様からも最近のオフィスビルにおけるムーブメントのひとつに、地デジ化にまつわる改修のニーズを挙げていただきました。実際的な導入手段としては、一般家庭と同様に大きく2つの方法があるそうです。より一般的なのが、ビルの屋上にUHFアンテナを建てる方法。もうひとつはインターネット回線やCATV(都市ケーブルテレビ)を通じた映像サービスの提供を受ける方法で、より安定した画質を得る必要がある特定業種のテナント様からのニーズが高いそうです。
当社で管理させていただいている物件でも、すでに5棟のオフィスビルが改修を終えており、現在も4棟のビルで調査・検討段階にあるなど、オフィスビルにおける地デジ化は着実に進行しています。通信設備様のお客様の中には「オフィスビルだからテレビは不要」というお考えの方もいらっしゃるそうですが、その際にはインフラ設備としての必要性や危機意識という視点から、テレビは緊急時対策として常に映る状態にすべきという説明をされているそうです。地デジ対応というオフィスビルにおける機能改善についても、長期修繕計画への落とし込みなどを通じた先行提案を行っていかなければならない状況にあると感じています。
>取材メモ
2011年12月竣工予定の東京スカイツリーの開業はまだ発表されていませんが、通信設備様によれば、現在の東京タワーとの位置関係によっては、東京スカイツリーからの電波を受信するためにアンテナの向きを変える必要のあるビルが出てくるとのお話でした。来るべき適切な対応に備え、情報収集を怠らずに進めていきたいと思います。
※本記事は2010年2月10日取材時点の情報を元に作成しております。
取材協力・情報提供:通信設備株式会社