OAフロアは「フリーアクセスフロア」「二重床」とも呼ばれるように、本来の床の上にもう一枚床を設けて床を二重化し、その空間を利用してネットワーク配線やコンセントなどを収納する仕組みになっています。ともすれば煩雑になりやすいケーブル類を床下で整然と収納できるため、室内はすっきり。配線に煩わされることのない自由なオフィスレイアウトを可能にするほか、露出した配線に躓いたり重いものを上に置いて断線したりなどの機器トラブルを防ぐメリットがあります。
OAフロアの構造としては概ね2つのタイプに分けることができると思います。フリーアクセスフロア工業会様で使用している呼称をお借りすると、ひとつはパネルを支柱などで支えて空間を形成する「パネル構法」、もうひとつはパネルと支柱が一体となったような構造で、予め溝を持った形状のブロック状のマットを敷き詰めて配置する「溝構法」です。
この2つはどちらが優れているということではなく、いわゆる各メーカーのOAフロアの個性であり大きな特徴のひとつに過ぎません。オフィスビルにOAフロアを導入する際には、新規ビルへの導入かリニューアルかでも選定の基準が違ってきますし、用途に基づいた配線容量も加味しなければなりません。また導入後に発生するメンテナンスのことを考えれば、素材の質や耐久性にも配慮する必要があるでしょう。それらの投資効果を総合的に捉え、慎重に検討することが重要で、そのためのご提案はPMが担うべき役割のひとつでもあります。
>取材メモ
共同カイテック様の社内資料を拝見させていただくと、OAフロアを選定する際に、環境配慮を挙げられるオーナー様が意外に多い印象を受けました。共同カイテック様のOAフロアはすべてがリサイクル可能であり、エコマーク認定を取得している商品もあります。PMとしてもオーナー様のご要望を時代の声として受け止め、環境配慮型の商品を積極的に提案していくことで、わずかなりとも環境問題に対峙していきたいという思いです。
※本記事は2010年1月19日取材時点の情報を元に作成しております。
取材協力・情報提供:共同カイテック株式会社