株式会社イトーキ編-3-

PM が入居希望者様にオフィスをご案内させていただく際、実際に日々の業務を行う専用室に関しては、詳細にご説明をさせていただいています。当社で管理させていただいているオフィスビルは、業務に適した照度設定や長時間の勤務でもストレスを感じさせない開放感の創出など、業務空間そのものの快適さに可能な限り配慮していますが、このことはテナント様が日常的に満足してオフィスをお使いいただくために不可欠な要素だと考えているからです。しかしその快適さは、ご利用されているテナント様とのコミュニケーションで得られるご感想から抽出しているのが現状です。

イトーキ様では、綿密な調査と現状分析に基づいて行ったオフィス構築が、テナント様のビジネスメリットにどのようにつながっているかを測るため、長年のノウハウに基づいた独自の調査方法を設けています。サーベイメニューと呼ばれる現地踏査もそのひとつで、テナント様の業務特性に基づいた仕事のやりやすさを測る「働きやすさサーベイ」、ワークスペースやオフィス環境の満足度を測る「満足度サーベイ」、書類保管スペースを測る「ファイリングサーベイ」などがあり、実際のオフィスの使われ方をあらゆる角度から調査分析しています。この他にも、コミュニケーション頻度に関する調査やセキュティ・防災に関する診断など多彩なメニューを取り揃え、具体的な投資効果を目に見えるかたちで認識できるシステムを確立していらっしゃいます。

お話を伺って、オフィスビルはオーナー様の大事な資産であることはもとより、オフィスも同じくご入居されているテナント様の大事な投資資産であること、そしてその意味で私たちPM は、ファシリティマネジメントとしての視点も同時に高めていくことが今後ますます求められてくるのだと強く感じました。

>取材メモ
イトーキ様は現場でのヒアリング手法にも長けていて、「どんな情報を得るために、誰に何を聞くか」ということを明確にした独自のノウハウをお持ちになっています。手法を構築するために実践し蓄積していくことは業務の指針ともなりますので、当社でも、PM としてお客様とお話させていただいた情報をより密に共有し、ヒアリングをはじめとした質の高い手法の構築に今後さらに力を入れていかなければならないと感じました。

※本記事は2009年12月8日取材時点の情報を元に作成しております。