株式会社イトーキ編-2-

快適なオフィス環境の創出に、セキュリティ対策は今や欠かせないものとなっています。技術の進歩とともに精度を高めバリエーションを広げる数多のセキュリティシステムのなかから、テナント様のニーズとオーナー様の投資効果に見合った最適なサービスを見極め、提案させていただくことは、私たちPM の大事な役割のひとつでもあります。

イトーキ様はオフィスづくりの柱の一本に「セキュリティソリューション」を掲げており、リスク管理を重要視するとともに、オフィスセキュリティの開発にも力を入れていらっしゃいます。2009年12月、イトーキ様より新発売となったのは「人体通信エントランスシステム」。人体の表面に微弱な電界を誘起して通信を行う新技術の開発により、専用のタグを身に付けパネルに触れるだけで認証を行うことができる日本初のシステムです。

このシステムの優れているところは、従来のIC カードによるセキュリティシステムのようなカードをかざす等のアクションが不要になること、また生体認証方式では難しかった手袋やマスクなどを身につけたままでの適用を実現している点にあります。「タッチタグ」と呼ばれる専用のタグを身に付けていれば、両手がふさがっている場合でも衣類を通して肩や腕などで認証が可能なため、よりスピーディな認証と高機密の保持が求められる研究機関などでの高い実用性が予測されているそうです。

私たちPM の視点から見ましても、高セキュリティを保持しつつ日常の自然な動作でシームレスに認証を行えるこのシステムは、オフィスに先進の付加価値を与えるものであり、差別化という点でも有効だと考えられますので、今後ニーズや市場の動向を窺いながら、効果的にご提案させていただきたい商品だと感じました。

>取材メモ
イトーキ様が他に力を入れている取り組みとして、2010年4月からの省エネ法改訂に伴う、環境対策のプランニングがあります。CO2 削減やリサイクルなど、オフィス運営と環境問題は密接に結びついていると言え、PM としてもソフト面とハード面の両側から着目しつつ、相乗的な効果を発揮できる可能性を探るべき分野だと考えています。

※本記事は2009年12月8日取材時点の情報を元に作成しております。