オフィスビルの快適な運営は、ハード・ソフトの両面でトラブルが皆無で、安定した状態が日常的に継続される環境が望ましいといえます。しかし、建物の特徴もテナント様も様々な現実の中で、全く問題の存在しない運用をしていくことは、非常に難しいことです。
トラブルの影響を最低限に止め、安定性を追求していくには、予防保全を図っていくことが大切です。例えば、昇降機のトラブル対策として、三菱ビルテクノ様はリモートメンテナンスサービス「エレファースト」をご提唱されています。先進の技術と永年培ったノウハウをフルに活用し、独自に開発したリモート点検システムが、エンジニアが現地で昇降機を点検する以外の時間も常に遠隔監視することで、故障可能性のある箇所を早期発見することが可能となり、影響が拡大することを防ぐほか、万が一エレベーター内に閉じこめられた場合でも、情報センターとの連携で迅速に救出を行います。
昇降機のリモートメンテナンスは、当社でも導入事例が多く、スタンダードともいえますが、PM として注目したい点はリモート監視することによる最適なメンテナンス情報の蓄積です。定期点検で、エンジニアが調査・整備を行う以外の時間も情報が把握されているため、今後の修繕やリニューアルの判断基準として活用することができ、必要な対応の選択肢が明確になるからです。当社では、このような情報をオーナー様や三菱ビルテクノ様をはじめとする協力会社様と共有し、これからのオフィスビル運営に役立てて参ります。
>取材メモ
情報センターに構築されているシステムは、ビルや顧客情報だけではなく、エンジニアの担当分野やその技術範囲などが照会できるデータベースがありました。これにより適材適所なエンジニアを最も近い場所から選定し、現場へ派遣することが可能になり、メンテナンスの効果と効率を飛躍的にアップしていました。リソースの有効活用、という概念を現実に落とし込んでいる点がとても優れていると感じました。
※本記事は2009年10月15日取材時点の情報を元に作成しております。
取材協力・情報提供:三菱電機ビルテクノサービス株式会社