ここまで、リニューアルのポイント毎にお話しをしてきましたが、エレベーターのリニューアルの重要なポイント、それは全体のバランスです。
例えば、エレベーター内の壁周りと照明のみをリニューアルしたとしましょう。その場合、確かに全体的に明るくなり、印象はアップするはずです。ところが、いざ自分の目的の階を押すなどパネルに目をやると、明らかに時代を感じさせるデザインのものだったとしたら…。どうしてもその部分に不自然さが残り、逆に違和感が先行してしまうかもしれません。
同じように、せっかく扉のカラーリングを変更しても、扉が開いた瞬間に薄暗かったのでは、望んだ効果は出にくいでしょう。つまりエレベーターという「箱」は全てのバランスを考えてリニューアルする必要があるのです。
更には、エレベーターという「箱」のバランスが取れていても、動線の一部である以上、外観、アプローチ、エントランスホールと続くビル全体とのマッチングも必要です。
目的は、あくまで費用対効果の高いリニューアルで、ビルの印象をアップし、最終的には投資したコストを上回る収益性を確保することです。
そのために、多額の費用を費やしても、全体のバランスが悪いと、思ったほどの効果が望めないことになります。その代表的な事例が、このエレベーターのリニューアルなのです。
ビルの顔の一つであるエレベーターのリニューアルは、全体のバランスを考慮し、効果的に行う必要があります。