グリーンでやさしくビルの差別化を考えた時に、「緑化」という観点も外せません。「都市緑地法」という法律により、指定地域内の建物には一定の緑化率を確保しなければならないという規定があります。現状ではこの指定地域内の建物であっても、法令の規定ラインをかろうじて維持するに留まるオフィスビルが大半です。
このような状況ですので、グリーンを増やすことも中小ビルの差別化として有効であると思います。それは、ただ単に室内に植木鉢を増やすというようなことではなく、明確なコンセプトを打ち立てるべきだと思います。
例えば「館内の共用空間により緑を」とするなら、美しく目に優しい環境をつくることと植物による空気清浄能力・リフレッシュ効果を目的として、植栽をプランニングすることになると思います。あるいは「ビル自体を自然体で演出し、来館されたすべての方へ憩いを提供したい」とすれば、ビルのエントランスを四季の花で彩るという方法もあります。
グリーンは人の目にやさしく、心に響きやすい特長があり、費用対効果をふまえつつ、これから更に注目すべき観点だと思います。