ホスピタリティ〜サービスとしての人の使い方いま改めて思うのは、ビルは建築物であり、そこに人を迎えるという原則に立ち返れば、ホスピテリティを持ち合わせることは重要なことです。人としての暖かみのあるサービスを提供していくという考え方も、今後ニーズを高めるのではないかと感じています。
現状では、いわゆる管理人を常駐させている中小オフィスビルはそれほど多くはないと感じます。しかし、例えばトイレや共用部の清掃を行う作業員としての「人」が、ビルの日常的な運営を支えるために携わっています。
私の考えは、一定の人件費がかかるなら、「人」だからこそ可能なホスピタリティに特化することも有効となりうるということです。従来の裏方的な業務を主体にしつつ、その役割を越えて、テナント様や来館者の方とコミュニケーションを図り、運営をしていくような人員の在り方。それはコンシェルジュ的な役割でもあり、おもてなし感を表すビルの側面でもあります。
ビルのコンセプトを明確にすることとは、ビルの表面を無機的に変化させることではなく、そこに新しい「気持ち」を見出すことだと思います。現状から一歩進むだけでもそれは可能かもしれませんし、それをオーナー様の目線で探求し創造するのが我々の今後に向けた取り組みなのだと思います。