自分の糧-8-

現在の私は、自分のスキルを認識した上で、状況を把握し察知しながら、自分にできることのドメインをさらに広げていくことを意識しています。

聞くべきことはすぐに聞いて理解し、考えたことは答えを確認し結果を明確にしてから先へ進む。この当たり前の行動が、入社当初は年齢からくるプライドや早く結果を出したいという焦りに苛まれ、思うように自分自身を発揮できないもどかしさを感じる時期がありました。

そんな私に勇気をくれたのが上司の言葉でした。ある日、同行中の電車で、上司から不意に「焦らなくていいですよ」と声をかけられました。その後に続く、「最初からできる人なんていませんから、思い切りやってください」という言葉に、スーッと肩の力が抜けてラクになったことを憶えています。

私の現状を察してくれていたこと、抜群のタイミングで何気なく声掛けしてもらったあの言葉は、前述した先輩の問いかけに通じるものがあり、上司は、私の会話や行動から、その奥にある全体を観察し、今私が何を思っているのかを的確に把握した上で、この言葉をかけてくれたのだと思いますし、今の私が、PMのプロフェッショナルを追求する大きな原動力になっています。

PMとして、またリーダーとして見習うべきことの多い上司のもとで、いずれ私も目に見える現象だけにとらわれず、後輩に対して糧となる言葉をかけられるように、自分のスキルを向上していきたいと思います。