オフィス街で、首からカードを下げた人々をよく見かけるようになったのは、4〜5年くらい前からでしょうか。スタッフ各自に配付されるIDカードと連動し、オフィス全体のセキュリティマネジメントに取り組む企業が増えつつある状況を示していると思います。
これまでは、警備システムと連動して、入退室の情報を記録する仕様が一般的でした。朝、どのカードでオフィスの鍵を開け、夜、どのカードで閉めたのかというデータを把握するシステムは良く見られます。このような仕様のオフィスであれば、何かあったとき、その前後の時間帯を指定して、入退室の履歴情報を取得できます。
しかし、運用面で、カードと人物を連動させた管理をしないと、誰が入ったのかもわからず、いざという時に正確な情報が得ることが難しくなります。
そのような事情もあり、一部の企業では、セキュリティ対策として、常に、誰が何時に入館・入室し、何時に退館・退室しているのか、これを把握することが求められるようになりました。
他にも、オフィス内や特定の区画へ入室できる人物を限定するセキュリティゲート機能を付加したいという要望もあります。これは、外部からの訪問者だけでなく、社内スタッフについての制限を意図している場合もあります。
つい最近も、あるテナント様で、ICカードをセキュリティボックスで認証させるタイプの入退室管理設備を導入したのですが、これも、部外者の立ち入りをできなくするだけでなく、入退室履歴データの保存機能を持ったシステムでした。やはり、ICカードなどを使った個人認証をして、個人を特定し、個々人の入退室データを把握することが、システム導入の大きな目的になっているようです。
このシステムによる入退室データの把握というのは、大きな変化だと、私は感じています。