社員A
いよいよ、ビルの中の話ですね!
上司
残念ながらまだ早い。他にも、周りのビルを見てごらん。オフィスビルの外観にはテナントさんのニーズで溢れているよ。
社員A
周りのビルですか?
上司
そう、例えば、あの大きな看板があるビルに目を移してみよう。あのビルの1階にどんなテナントさんが入っているかな?
社員A
はい。本屋さんですね。
上司
そう、1階は大通りに面した本屋さんだね。で、上の階に入っているテナントさんを見ていくと、最上階に進学塾が入っているんだ。
社員A
あ、そうなんですか?それは便利かもしれませんね。ん?でもそれとオフィスビルに何の関係があるんですか??
上司
本屋さんと進学塾の関係は、キミも言ったとおり塾の生徒さんにとって便利な例かもしれないけど、逆に、もしもお互いのテナントさんにとって悪影響を及ぼすようなテナントさんたちが入っていたとしたらどうかな?
社員A
便利どころか、不都合なことが起きる可能性があると思います。お互いの売り上げにも影響が出るかもしれませんよね。
上司
その通りだ。そしてこれは商業ビルのみならず、全てのビルに言えるバランスの問題なんだ。オフィスビルにしても、そのビルのイメージに合わないテナントさんが入っていたらどうしても印象は悪くなるだろう?
社員A
そうですね〜。確かに困りますね。
上司
そのビルのバランスを取るのは、プロパティマネジメントの仕事の一つなんだ。せっかく外観やエントランスにリニューアルを施しても、テナントの構成や使い勝手によっては、水の泡ということになりかねない。
社員A
確かにそうかもしれません。テナントの目線から見ると、それこそ金額には換算できない大きな損害があるかもしれませんね。