賃貸ビルの長い運営期間の中で発生する1度の大きなリニューアルを行うとき、フルパワーで全精力を傾けて成功させることは、一人前のPMであればそれほど難しいことではありません。しかし、日々、その案件以外について様々な調整を行いつつ、更に、その案件に関わる全ての方々にも特別の満足を提供することは、PMの調整能力に大きく左右されると考えます。
PMの日常を見ていると、大きなプロジェクトを抱えていると、それ以外の仕事も同時に停滞することがあります。どうしても、意識の大半が大きなプロジェクトに占められてしまいます。そんなとき、一番調整が必要なのは、関係者ではなく、他ならぬPM自身の調整です。あるPMは大型プロジェクトに意気込み過ぎて、既存の業務が疎かになることがあります。別のPMは大型プロジェクトへ振り向ける時間が不足して、プロジェクトが進捗しないこともあります。
PMは、どの立場の方々から見ても、コーディネーターでなくてはいけません。どこかに偏ったスタンスで調整を行っても、そこに信頼関係は生まれず、案件がうまく成立しないというのが、チームメンバー全員の共通した意見です。そのためにも、PMは自分の担当する他の案件を通常とおりの水準で履行しつつ、大きなプロジェクトに振り向ける時間や意欲を調整しなければなりません。